愛知県について [都道府県]
日本全国ブログめぐり、第二回は愛知県です。
愛知県と一言で言っても、尾張と三河では文化が違うので、
一様に論じるのはしばしばケンカの種になります。
したがって、今回は名古屋についてのみ。
名古屋はよく言われるように色々独特です。
例えば地下文化。
日本初の地下街が作られたのが名古屋なのは有名な話ですが、現在でも
地下街面積は日本一かもしれません。
名古屋は地上だけ見てると、けっこう普通の都市ですが、とにかく地下の充実に気合いが
入っていて、名駅・栄ともやたら地下が広い。理由は暑いからとか雨に濡れるからとか諸
説ありますが、なんとなく土地を有効利用しようとする質実剛健な気質が見え隠れしま
す。
地下文化に次いで有名なのが、いわゆるモーニングです。
朝、喫茶店でコーヒーを頼むと、ほぼ強制的にトーストとゆで卵がついてきます。普通に
コーヒーが飲みたいだけなのに、「モーニングをおつけしますか?」と言われてしまう
と、最初はかなりとまどいます。
もちろんモーニングセット自体は全国どこでもありますが、全国的には別料金が常識なの
で、「つけますか?」という問いは意味がわかりません。しかし、名古屋ではコーヒー代
に込みでついてきます。
なぜこんな習慣が根付いているのか全く謎ですが、そもそも喫茶店文化が強く、そのせい
で町なかのドトールやスタバの出店数が少ない気がします。(気のせい?)
さて、地下文化、喫茶店文化と来て、圧巻は名古屋グルメです。
手羽先(甘すぎる)、味噌かつ(味噌じゃないほうがうまい)、あんかけスパゲティ(あ
んがなければうまい)、味噌煮込みうどん(固すぎる)、きしめん(柔らかすぎる)など
など、とにかく異彩を放つラインナップが勢揃い。
かつ、( )のとおり、非名古屋人にとっては的確に的をはずした味わいばかり。。
名古屋人もみなが名古屋グルメが好きなわけではないのですが、重要なのはおしなべて
「そんな名古屋が好き!」という点です。
名古屋人の名古屋ラブは、大阪にも通ずるものがありますが、大阪人の大阪ラブは、微妙
に東京に対するアンチ巨人的な卑屈な感情が入り混じり、実は純粋な愛ではなかったりす
るので、愛情の深さなら名古屋に軍配があがるでしょう。
独立国家的な独特ぶりと、生涯名古屋を離れたがらない、郷土愛あふれる名古屋人。
個人的にはさほど好きではないのですが、少しうらやましい気はします。
奈良県について [都道府県]
ブログでめぐる日本の風土、日本全国ブログめぐり。
第一回は奈良県です。
なぜ奈良県かというと、つい見落としがちですが、実は相当地味な県だからです。
地味県と言えば、一般的にはまず佐賀県と福井県があがります。しかし彼らは
「地味県」というキャラが立ってるだけまだマシです。
なにしろ奈良県は、日本で最も宿泊施設数の少ない県だそうです。
奈良市は有名な観光地ですので、意外に思われるかもしれませんが、例えば関東の人なら
修学旅行などで行ったことのある人は多いはず。
しかし思い返してほしいのですが、その時はきっと京都とセットだったはず。
そして宿泊は京都だったのでは?
そう、奈良はいつも京都のオマケなのです。
さらに関西出身の人ならわかると思うのですが、地元から見れば、京都のオマケでさえなく、
大阪府の一部のような状態です。
生活圏が大阪に完全に取り込まれており、情けないことに
県庁所在地の奈良市住民でさえ大阪に飲みに行く始末。
悲しいかな、大阪にも京都にも交通の便が良すぎるのです。。
さらにもう一つの理由が、奈良市はあちこちに遺跡が埋没しており、ビルの新設や電車の
敷設が難しく、市内に繁華街を拡大しづらかったという古都ならではのジレンマがありま
す。
さらに奈良県が地味な理由ですが、奈良は奈良市のある地域にほぼ機能が集中しており、
南部地区がエアポケットのようになっています。
そもそも奈良県南部には鉄道が走っていません。空港もありませんし、地図で見る限り日
本有数の陸の孤島と言えるでしょう。
その他、例えば奈良の名物と言って奈良漬け以外を思い浮かべることはまずないと思いま
すし、それ以前に奈良市以外の市町村名を言える人もそういないでしょう。
つまり、奈良県は奈良市にすべてを依存してるにも関わらず、奈良市自体が京都のオマケ、
あるいは大阪の属国的になっており、この点は京都と比較すると明確なのですが、
はっきりいってほぼ「奈良県民のアイデンティティはなし」と
言ってしまっても過言ではないでしょう。
以上、日本全国ブログめぐり、第一回は大仏の陰に隠れた地味県、奈良でした。